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【違憲判例】⑫愛媛玉串料訴訟(最大判平9.4.2)

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こんにちは。きなこです。

 違憲判例13件全部調べようシリーズ、残すところあと2件。12件目です!

 

↓ ちなみに、11回目はこちらです。

 

kinakopasta.hatenablog.com

 

今回は、県が神社に玉串料を支払うことは違憲かどうかを争ったものです。

 

憲法20条1項後段、3項、89条に規定されている、いわゆる政教分離の原則に関する事件です。

 

 

 

 

⑫愛媛玉串料訴訟(最大判平9.4.2)

事件概要 

昭和56年から同61年にかけて、愛媛県の東京事務所長が、宗教法人靖國神社の春季又は秋季の例大祭に際して奉納する玉串料として9回にわたり各5000円を、また、同靖國神社の挙行した7月中旬の「みたま祭」に際して奉納する献灯料として4回にわたり各7000円又は8000円を県の公金から支払いました。

 

また、県生活福祉課長(歴代5名)が、宗教法人愛媛県護國神社の挙行した春季又は秋季の慰霊大祭に際して愛媛県遺族会を通じて奉納する供物料として9回にわたり各1万円を、それぞれ県の公金から支出しました。

 

これについて住民らが、愛媛県知事及び愛媛県東京事務所長、県生活福祉課長に対し、本件支出が違法な財務会計上の行為に当たるかどうか、地方自治法に基づく損害賠償代位請求住民訴訟を起こしたものです。

 

 

判旨

憲法89条は、公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供することを禁止しています。

 

今回の事件では、県の財産を使用しており、この玉串料、献灯料、供物料を、「国家とのかかわり合いが相当とされる限度を超えるものととらえるかどうか」が問題となります。

 

上告人は、「本件支出は、遺族援護行政の一環として、戦没者の慰霊及び遺族の慰謝という世俗的な目的で行われた社会的儀礼にすぎないものであるから、憲法に違反しないと主張」していました。

 

しかし、宗教法人靖國神社例大祭、みたま祭、宗教法人愛媛県護國神社の挙行した慰霊大祭は、それぞれの神社の執り行う行事の中でも重要な祭祀にあたるものと考えられます。

 

戦没者の慰霊及び遺族の慰謝を目的とするのならば、このような特定の宗教と特別のかかわり合いを持つ形でなくてもできるはずです。

 

従って、本件では、「県が特定の宗教団体の挙行する重要な宗教上の祭祀にかかわり合いを持った」ということになりますので、この行為は憲法違反と判断されました。

 

 

県が本件玉串料等を靖國神社又は護國神社に前記のとおり奉納したことは、その目的が宗教的意義を持つことを免れず、その効果が特定の宗教に対する援助、助長、促進になると認めるべきであり、これによってもたらされる県と靖國神社等とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものであって、憲法20条3項の禁止する宗教的活動に当たると解するのが相当である。そうすると、本件支出は、同項の禁止する宗教的活動を行うためにしたものとして、違法というべきである。

(略)

また、靖國神社及び護國神社憲法89条にいう宗教上の組織又は団体に当たることが明らかであるところ、以上に判示したところからすると、本件玉串料等を靖國神社又は護國神社に前記のとおり奉納したことによってもたらされる県と靖國神社等とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと解されるのであるから、本件支出は、同条の禁止する公金の支出に当たり、違法というべきである。

愛媛玉串料訴訟 上告審

 

 

ポイント

・公の財産を、神社の祭祀に関わる玉串料、献灯料、供物料等に使用することは違憲である。

 

おわりに

どういう思いで儀式や儀礼に参加するのかは各人思うところがあると思いますが、公の財産を使用する以上、その行為がどういう行為なのかの見極めが必要とされますね。

 

 

 

↓判決文はこちらから

https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/28-3.html

 

 

お読みいただきありがとうございました:)